「子供用の歯磨き粉でオススメなものを知りたい」「子供が楽しく歯磨きするようになってほしい」
実際大人が毎日歯磨きをするのと子供が歯磨きするのでは感覚が違います。子供にとって楽しくないことはしたくないので、歯磨きも楽しいと思えないとなかなかやってくれないですよね?
楽しく歯磨きをして虫歯0を目指したいと思います。
しかし何歳でもどんな歯磨き粉を使ってもいいわけではなく、うがいがまだ上手にできない2歳のお子様に大人用の歯磨き粉を使うと飲み込んでしまうことがあります。
大人用の歯磨き粉はフッ素濃度が1450ppmと高いので毎回飲み込んでしまうと、まだ体の小さなお子様はフッ素を排出する力が十分にないので極端な話ですと中毒を起こす危険性もあるのです。
ですので、うがいがまだ上手にできない3歳未満のお子様には500ppmくらいのフッ素濃度のジェルタイプの歯磨き粉を使うほうが良いでしょう。
選ぶポイントとしましては
★パッケージの見た目(お子様が好きなキャラクター)
★お子様が好きな甘い果物の味
★フッ素含有量が1000ppm以下
★歯の表面を傷つける研磨剤が少ない量で抑えられているもの が重要になってきます。
これらをすべて満たす子供用歯磨き粉はこの5つです。
●チェックアップジェル
●チェックアップコドモ
●クリニカ Kids
●ライオンこどもはみがき
●SUNSTAR Do クリア
これらを現役歯科衛生士の私が実際に使ってみた感想をお伝えしますのでぜひ参考にしてみてください。
1.オススメの子供用歯磨き粉5選
ここでは子供用歯磨き粉の中でオススメのものを5つ、現役歯科衛生士の私が実際に試してみて解説します。あくまで個人的な意見ですのでぜひ参考にしてみてください。
1-1 チェックアップジェル バナナ(ライオン)
こちらはフッ素濃度500ppmのジェルタイプのものです。ジェルタイプのものなので、うがいが上手にできない年齢のお子様でも唾を吐きだしておけばそのまま寝ても大丈夫なのです。
3歳未満のお子様の場合、乳歯の表面が弱い状態ですので1450ppmなどの高濃度のフッ素が配合されている歯磨き粉を使用していると、歯の表面に白斑ができる歯のフッ素症を引き起こすリスクが高くなります。
〈歯のフッ素症〉
このチェックアップジェル バナナの場合500ppmなのでその心配はありません。
つまり歯が生え始めたお子様~3歳までのお子様に向いています。(公式HPでは6歳ごろまで使用しても大丈夫です)
チェックアップジェル バナナの特徴としましては
①フッ素滞留性を高めた独自の新処方
(フッ素が長時間歯に留まるように作られています)
②フッ素が口腔内のすみずみまで広がりやすいソフトジェル
(軟らかいジェルタイプなのでお口全体に広がりやすいです)
③研磨剤無配合
(乳歯は歯が軟らかいので研磨剤が入っていると傷が付きやすくなります)
④少量洗口に適した少ない泡立ち
(泡立ちがよすぎるものですと、うがいが上手にできない年齢のお子様が使えなかったり泡立ちによって磨けた気になって磨き残しの原因にもなります)
60g 580円ほどで歯科医院やネットにて購入できます。
1-1-a 現役歯科衛生士が実際に試してみました
使ってみた感想
匂い:ほのかにバナナの匂いがします。
味:優しいバナナの味がお口に広がります。
使い心地:ジェルなので泡立ちがなく、唾液に溶けていく感じです。
磨き終わって唾を吐くだけでお口の中にほぼ残っている感じはなくなります。
1-2 チェックアップ コドモ(ライオン)
こちらはフッ素濃度950ppmの歯磨き粉です。
味はリンゴ、ぶどう、いちごの3種類でそれぞれに猫、クマ、うさぎのキャラクターが書かれていて凄く可愛いです。
当院でもお子様に使用しておりますが3種類あるのでお子様もどれにするか楽しんで選んでくれます。
またフッ素もしっかり配合されているのですが辛くなく、味も使いやすくなっております。低発泡で泡立ちは少ないですがうがいが必要になりますので4歳~14歳のお子様に向いています。
特徴としましては
①フッ素滞留性を高めた独自処方
(フッ素が長時間歯に留まるように作られています)
②フッ素が口腔内のすみずみまで広がりやすいソフトジェル
(軟らかいジェルタイプなのでお口全体に広がりやすいです)
③歯や歯茎に優しい低研磨性
(研磨剤が多いと歯や歯茎に傷がはいりやすくなります)
④少量洗口に適した少ない泡立ち
(泡立ちがよすぎるものですと、うがいが上手にできない年齢のお子様が使えなかったり泡立ちによって磨けた気になって磨き残しの原因にもなります)
⑤お子様に好まれる3つの香味とキャラクター
(お子様はキャラクターが大好きなので好んで歯磨きをしてくれます)
60g 250円ほどで歯科医院やネットで購入できます。
1-2-a 現役歯科衛生士が実際に試してみました
今回はブドウ味を試してみました。
使ってみた感想
匂い:しっかりブドウです。ほんのわずかにミントと混じったような匂いがします。
味:グレープにミントが混じっているような感じ。辛みは全くないです。
使い心地:泡立ちは少なめです。アワアワにならないのでしっかり磨けているか確認できそう。
出てくる所が細口になっているので出しすぎる心配がありません
1-3 クリニカ Kids(ライオン)
こちらはお子様が大好きなミッキーミニーがデザインの歯磨き粉で、味はイチゴ、ぶどう、ピーチの3種類です。
フッ素濃度は950ppm配合されており、低発泡で泡立ちは少ないですがうがいが必要になりますので4歳~14歳のお子様に向いています。
特徴としましては
①フッ素配合で歯の再石灰化を促進し歯質を強化して虫歯予防
(950ppmのフッ素でしっかり虫歯予防効果があります)
②薬用成分「デキストラナーゼ酵素」が歯垢そのものを分解し除去する
(上手に磨けないお子様でも酵素の力でしっかり汚れを落としてくれます)
③歯垢の除去効果を高める清掃スクラブ配合
(スクラブで汚れを落とします)
④キシリトール(天然素材甘味料)配合
(お子様が好きな甘い味ですが天然の甘味料なので虫歯の心配はありません)
⑤3つの味が選べる
(お子様の好きなイチゴ、ぶどう、ピーチ味です)
60g 189円ほどでドラッグストアにて購入できます。
1-3-a 現役歯科衛生士が実際に試してみました
今回はブドウ味を試してみました。
使ってみた感想
匂い:ガムのような甘いブドウの匂い。
味:味もガムみたい。すごく美味しいです。
使い心地:なかなかしっかりめに泡立ちます。出てくる所が広いので出しすぎに注意です。
1-4 ライオン こどもはみがき(ライオン)
こちらはお子様がみんな大好きなアンパンマンがデザインされているフッ素濃度960ppmの歯磨き粉です。
味はイチゴとメロンの2種類で、子供のころ1度は使ったことがあるのではないでしょうか?
低発泡で泡立ちは少ないですがうがいが必要になりますので4歳~14歳のお子様に向いています。
特徴としましては
①フッ素が酸に負けない強い歯を作り、虫歯を予防する
(フッ素濃度960ppmでしっかり虫歯を予防します)
②幼児を中心に人気の高いアンパンマンをパッケージにデザイン
(お子様みんなが大好きなアンパンマンの歯磨き粉で楽しく歯磨きしてくれます)
③子供に人気のイチゴとメロン味
(お子様が使いやすい味で辛みはありません)
40g 123円ほどでドラッグストアにて購入できます。
1-4-a 現役歯科衛生士が実際に試してみました
今回はイチゴ味を試してみました。
匂い:かき氷のシロップのようなイチゴの匂いです。
味:甘すぎる感じはないです。匂いに比べて味はわりとスッキリしています。
使い心地:泡立ちがちょうど良く使いやすそうです。
1-5 SUNSTAR Do クリア(サンスター)
こちらはお子様に大人気のしまじろうがデザインされているフッ素濃度960ppmの歯磨き粉です。
味はイチゴ、ブドウ、ソフトミントの3種類でソフトミントは大人用歯磨き粉に移行する前に練習としても使えます。
低発泡で泡立ちは少ないですがうがいが必要になりますので4歳~14歳のお子様に向いています。
特徴としましては
①フッ素がカルシウムの吸収を促進し丈夫で強い歯に導きます
(フッ素濃度が960ppmなのでしっかり虫歯予防してくれます)
②親子ともに人気の味
(お子様が好きな味、お母さんが子供に使ってほしい味の人気がイチゴとぶどうの2種類で、お子様親御様両方に人気の味です)
③大人用歯磨き粉への移行もスムーズ
(いきなり大人用歯磨き粉を使うと辛く感じてしまうのでソフトミント味で練習できます)
70g 180円ほどでドラッグストアにて購入できます。
1-5-a 現役歯科衛生士が実際に試してみました
今回はブドウ味を試してみました。
匂い:キシリトールガムのブドウ味に近い匂いです。
味:しっかりブドウの味ですがスッキリしているので甘すぎないです。
使い心地:泡立ちが結構少なめでシャバシャバになります。
2.子供用歯磨き粉を使う時の4つのポイント
子供用の歯磨き粉にもたくさんの種類があります。実際使うときにも重要なポイントがございますのでぜひ参考にしてみてください。
2-1 多すぎても少なすぎてもよくない年齢に合った適切な歯磨き粉の量
歯磨き粉には虫歯を予防するフッ素が配合されています。そのフッ素が効果的である使用量が年齢によって変わってくるのです。
〈ライオン公式サイトより〉
●歯の生え始め~2歳⇒3mm程度(米粒ほど)
●3~5歳⇒5mm程度(グリーンピースほど)
●6~14歳⇒1cm程度
●15歳~⇒2cm程度
つまり上記の生え始め~5歳までのお子様ですと、この量の歯磨き粉に含まれるフッ素の量であればたとえ全部飲み込んでしまっても安全な範囲におさまっているのです。
そして6歳~15歳になると、この量の歯磨き粉に含まれるフッ素の量であれば120分以上にわたって虫歯予防に効果的なフッ素濃度に保つことができるのです。
またうがいの回数、時間、水量が多いほど唾液中のフッ素濃度は早く低くなってしまうので歯磨き後のうがいに関しては2回までにするほうが良いでしょう。
2-2 お子様のタイプや年齢で使い分けるジェルタイプとペーストタイプ
ジェルタイプは発泡剤が配合されていません。磨いても泡立ちがないので、うがいが上手にできない3歳くらいまでのお子様に向いています。
歯が生えて間もないお子様にはガーゼなどで歯を拭って汚れを落とし、ジェルタイプの歯磨き粉を少量塗ってあげれば虫歯予防にも効果的です。
4歳以上でうがいができるようになればペーストタイプの歯磨き粉で構いません。
もちろん4歳以上でもジェルタイプのものを使用しても洗浄力や虫歯予防には影響ありませんので、お子様の好みで使ってあげましょう。
2-3 年齢によって変わる適切なフッ素濃度
虫歯予防に重要なフッ素の濃度についてお話しします。
乳歯の場合毎日使う歯磨き粉で虫歯予防に効果があるのは500~1000ppmのフッ素濃度のものです。
しかし3歳未満のお子様に1000ppm近いフッ素濃度の歯磨き粉を毎日使用すると、歯の表面に白斑ができる「歯のフッ素症」ができるリスクが高くなるのです。
ですので3歳未満のお子様には500ppmくらいのフッ素濃度の歯磨き粉を使うことをオススメします。
市販のペーストタイプの歯磨き粉はフッ素濃度が記載されていないものがほとんどですが、ドラッグストアで並べられているものは約1000ppmでした。
500ppmのものはジェルタイプのものが多く、こちらはほとんどフッ素濃度が記載されていますので選びやすいかと思われます。
2-4 お子さんが楽しく歯磨きしてくれる方法
お子様がきちんと歯磨きしてくれることはなかなか難しいことで、ほとんどの場合嫌がって口を開けてくれなかったり暴れてしまいます。
中には手足を押さえつけて無理矢理する方もいますが、できれば歯磨きは楽しい時間だと思いながらしてほしいです。
できるだけ楽しくすすんでハミガキをしてくれる方法をご紹介します。
●お母さんとお子様の歯を磨き合う
…お母さんがお子様の歯を磨くだけではなく、お子様にも歯ブラシを持たせお母さんの歯を磨いてもらうのです。
お子様も一方的にやられているのではなくお母さんと同じことをしていると思えば、お口を開けてくれるかもしれません。
●お子様が好きなキャラクターの商品を買う
…嫌がる歯磨きもお子様が好きなキャラクターと一緒なら進んでやってくれるかもしれません。
アンパンマン、ミッキー、しまじろうなど、ドラッグストアにもお子様が好きなキャラクターの歯ブラシや歯磨き粉がたくさん売られています。
一緒に買いに行って選ばせてあげるのも一つかもしれません。
●歯磨きが上手にできる動画を見る
…今ユーチューブなどでもお子様向けの動画がたくさん見ることができます。
お子様が楽しく歯磨きできるような動画がたくさんありますのでぜひ一緒に見てみてください。
3.歯磨き粉以外にできる虫歯予防
いくら綺麗に歯磨きをしていても虫歯になってしまうことはあります。
ここでは毎日使う歯磨き粉以外にできる虫歯予防法をお伝えします。
3-1 糸ようじ
大人の虫歯予防でも使用する糸ようじはお子様の虫歯予防にも効果があります。
子供にも使ったほうがいいんですか?と驚かれることもありますが歯と歯の間がピッタリ並んできたら、お子様の場合でも虫歯になるリスクがあります。
乳歯のように小さな歯でも使いやすい糸ようじが売られていますのでぜひ使ってあげましょう。ネットでも購入できます。
〈乳歯用糸ようじ画像〉
3-2 歯科医院でのフッ素塗布
毎日使う歯磨き粉のフッ素濃度は子供用の歯磨き粉で1000ppmくらいで、低濃度のものになります。
プラスアルファとして歯科医院でのフッ素塗布が虫歯予防に効果的なのです。
歯科医院でのフッ素塗布の濃度は約9000ppmと高濃度で3か月に1度のペースで塗布するのが効果的と言われています。
当院でも生後半年くらいのお子様から塗り始めています。とくに乳歯が生えそろってきた時期ですと虫歯のリスクも上がりますのでフッ素塗布の時に虫歯ができていないかチェックもしますので予防もでき早期発見もできるのです。
3-3 理想的なおやつ
お子様が大好きなおやつは、虫歯のリスクを高めてしまいます。一切与えないということは難しいのでできるだけ虫歯になりにくように与えることのポイントをお伝えします。
3-3-a おやつの種類
虫歯になりやすいおやつは、口の中に長い時間留まるようなタイプで糖がたくさん使われているものです。
★なりやすいものの例
飴
チョコ
キャラメル
ケーキ など
★なりにくいものの例
乳製品
果物
せんべい など
どうしても甘いものを欲しがる場合は代用甘味料が使われたおやつを与えると良いでしょう。
3-3-b おやつの時間
おやつをだらだらと食べていると、歯垢が酸性状態になり歯を溶かしてしまいます。
ですので、おやつを与える時間をきちんと決め3歳未満は1日2回、3歳以上は1日1回を目安にしましょう。
4.まとめ
以上がオススメの子供用歯磨き粉と、使うときのポイントです。
基本的に子供用歯磨き粉にはそこまで大差はなく、お子様の好みの味やパッケージで選んでいただくのがいいかと思います。
まずはお子様が楽しく歯磨きできることが重要です。
また虫歯予防に際しても、定期的なフッ素塗布で防ぐことができたり虫歯ができても小さなうちに治療ができるので、しっかり歯科医院で診てもらうことをオススメします。
歯科衛生士です。
とてもわかりやすくまとめてあり
拝見しやすかったです。
1点質問なのですが
ここで記載されている歯磨剤のフッ素濃度は
公式で発表されているものですか?
もしくは直接確認されたのでしょうか?
ライオン製品などは公式でフッ素濃度の記載が
ないため調べている途中なのですが
気になったので連絡差し上げました。