「マスクが手に入らない」「防護服が足りない」
世界中で新型コロナウィルス感染症が猛威を奮う中、マスクをはじめ様々な物資が不足しています。
マスクを滅菌しながら数日間で1枚という医療機関も珍しくありません。
またマスクだけでは眼の粘膜からの感染を防ぐ事はできませんし、ゴーグルを着用していても隙間から飛沫が入り込む可能性は十分にあります。
できる限り曝露する飛沫を減らすためにはフェイスシールドの着用も必要となりますが、通常のマスクと比べても入手が困難な状況が続いております。
このような状況ですが、現状でも安定して手に入りやすいクリアファイルを用いて誰にでもすぐに製作できるフェイスシールドの作り方を写真とともに掲載させて頂きます。
医療従事者の方のみでなく、いまお仕事をしていらっしゃる方や、体調不良のご家族のお世話をしていらっしゃる方々のお役に立つことが出来れば幸いです。
1.フェイスシールドを作るために用意するもの
フェイスシールドをつくるために必要になるのはクリアファイル、めがね型のもの、はさみ、カッターナイフの4点になります。
クリアファイルはできるだけ透明なものを選んでください。今回は100円ショップで一袋3枚入りを税込110円で購入いたしました。
めがね型のものというのは、眼鏡型で耳に欠ける部分と鼻パッドさえあれば、ゴーグルやダテ眼鏡やおもちゃのめがね、レンズを外したサングラスなどでもつくることは可能です。
2.簡単にフェイスシールドを作るたった3つのステップ
2-1 クリアファイルをはさみで分割する
このように折って綴じられていたクリアファイルを2つに分割します。
ひとつのクリアファイルから2つのフェイスシールドが製作可能です。
2-2 めがねを通す切れ込みを入れる
このようにめがねのツル部分を通す切れ込みを入れます。
位置としては写真のようにおよそ中央付近のエリアで、両端から1cmの部分に1つずつ、さらにその1cm内側に1つずつカッターナイフで切れ込みを入れます。
切れ込みの長さは分かりやすいように1cm程度にしてみましたが、私の所持しているメガネやゴーグルでは問題なく差し込むことができました。
2-3 めがねを切れ込みに通す
先ほどあけた穴にめがねのツルの部分を通します。
まず片方のつるを上の写真のように通します。
もう片方は少し強引になりますが、クリアファイルをねじりながら差し込みます。
静止画では伝えにくいので、動画を参考にしてください。
これで完成です。
シールドの角が鋭いので、はさみで切り取って丸みを与えてもよいとは思いますが、できるだけ短時間で製作するために今回はその工程は省かせて頂きました。
3.手元にマスクがあればもっと簡単な2ステップに
先ほどの眼鏡を用いたフェイスシールドづくりと同様にクリアファイルを分割します。
クリアファイルの中央付近両端から1cm程度の部分にホッチキスでマスクの左右に固定します。
これで完成です。
マスクも飛沫に直接暴露されないので、こちらの作り方でも効果はあると考えられます。
実際当クリニックでは、施術を行う歯科医師・歯科衛生士はこちらの方法で作製したものを使用しています。
4.フェイスシールドを着用した方がいいと思われる方々
新型コロナウィルス感染症が猛威を奮っている現状では、自分が感染しないようにするだけでなく、自分自身が無症状感染者であると仮定してできるだけ拡散しないようにする事は、どのような職業でも現在は必要であると考えられます。
医療従事者だけではなく、幅広い場面で活用されれば感染拡大予防に効果は期待できるでしょう。
さいごに
入手が比較的容易な素材を用いて、少しでも感染リスクを抑える装備を作ることができるのではないかと考え取り急ぎ試してみました。
もちろん効果がいかほどのものか全く検証されていないものを紹介するのは、医療の専門家としては心苦しい点もございますが、こういった工夫に頼らざるを得ない状況に置かれていることも受け入れる必要はあると思います。
歯科医院においても、医療従事者の感染リスクが高いことはすでに周知の事実ですが、新型コロナウィルス感染症にいつ終止符が打たれるのかが全く分からない状況においては、少しでも感染リスクを抑えた上で診療は続けていかなければならないと感じています。
我が身を守るために考えた苦肉の策ですが、少しでも感染による被害の拡大防止に役立つことを願っています。
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